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第12部分(第2/4 頁)

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思っていなかったじゃありませんか。きょう警視庁でダイヤの話が出たときも、きみの顔にはありありとそれが出ていましたよ」

等々力警部は目をパチクリとさせながら、世にもふしぎな話を聞いていたが、やがて息をはずませて、

「そ、それじゃ、あの黃金の小箱にはいっていたダイヤモンドも、大寶冠にちりばめてあったダイヤモンドも、みんな人工的に作られたものだというのですか?」

「はい」

「そして、それはみんな、あなたのおとうさんが作ったというんですね」

「はい、そうなんですわ」

等々力警部はいよいよおどろいて、

「ああ、なんということだ。もし、それがほんとうだとすると、たいへんな話になりますよ。日本はたちまち、世界一の金持ちになりますよ。ああ、わかった、わかった。それだからこそ、銀仮面のやつがあなたがたをねらっていたのですね。あなたがたから、人造ダイヤの秘密をぬすもうとしているのですね」

「ええ、それですから、父もおじも、銀仮面にゆうかいされたのです。銀仮面は父やおじに、人造ダイヤを作らせようとしているのです」

ああ、これで銀仮面が、あんなにまでしゅうねんぶかく、大野老人をつけねらっているわけがわかった。いまかりに大野老人をつかって、人造ダイヤを無限に作るとすれば、世界の富を|一《いっ》|手《て》にあつめることができるではないか。

「しかし、香代子さん」

そのとき、しずかにそばからことばをはさんだのは金田一耕助である。

「人造ダイヤのことはいずれゆっくりおたずねするとして、あなたはどうして今夜、こんなところへきたんですか?」

「ああ、それは……」

香代子はきゅうにおびえたような顔をして、

「この家は成城へうつるまえ、あたしたちが住んでいた家なのです。そのとき、父が萬一のことを思って、この地下道を作っておいたのですが、あたし、今夜ふとしたことから、銀仮面の正體に気がついたのです。それで、そのしょうこをたしかめようとして、ここからしのんできたのです」

「な、な、なんですって? 銀仮面の正體に気がついたんですって? いったい、それはだれですか?」

等々力警部はおもわず大聲をあげてきいたが、金田一耕助はいきなりその口を押さえると、

「シッ、警部さん、そんな大きな聲をだしちゃいけません。壁に耳ある世のなかですからね。はっはっは、いや、香代子さん、それはぼくもだいたい見當がついているんですがね」

やみ夜の上陸

ああ、金田一耕助や香代子が気がついたという銀仮面の正體とは、はたしてだれだったのだろうか。……それはしばらくおあずけにしておいて、ここでは怪汽船、寶石丸の、そのごのなりゆきから、話をすすめていくことにしよう。

越中島の岸ぺきをはなれた寶石丸は、途中、海上保安庁の警備艇に発見されることもなく、ぶじに枺�┩澶頦悉勝欷啤⑽鰥匚鰥丐趣工工螭扦い俊4�蝦0毒€を遠くはなれて、はるか沖合を走っているので、いったいどこを走っているかわからないが、枺�─牆鶥鏌桓���憒�嬰蚊孛埭虯k見したころ、ようやく進路をかえて、海岸線へ近づこうとしているようすだった。

船首に近い上甲板に立っているのは、あの魔法使いみたいな老婆に化けた怪人である。怪人は目のまえにせまってくる絶ぺきを、さっきからジッと見守っていた。

雲間にまたたいている北極星の位置から判斷すると、船のへさきはいま、真枺�摔啶�盲皮い毪瑜Δ饋¥筏�貳⒁姢銫郡工��覡懮悉摔稀⑷思窯蚊鰥�轆槨筏い玀韋弦護膜庖姢ⅳ郡槨勝ぁ¥趣膜激蟆⑶胺餞紊餞紊悉�欏⒒ɑ黏韋瑜Δ嘶粕�せ黏�⒘鰥煨扦韋瑜Δ宋菠頦窯い啤ⅴ靴盲瓤柵摔韋埭盲皮い盲俊�

「うっふっふ。仮面城に異狀なしというわけか。どれ、上陸にとりかかろうか」

怪人がホッと安心したようにつぶやいたときだった。うしろに近づいてきたのは無線技師である。

「枺�─毋y仮面さまから電報です」

「ああ、そうか。きみ、ひとつ読んでみ

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