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第17部分(第4/4 頁)

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の腕を引っ張ろうとした歩の手を制止して、健人は「先に帰っていてくれ」と言う。もう少しだけ一人になる時間が欲しかった。今、一緒に帰れば、泣きだしてしまいそうだった。

「……どうかしたの?」

「買い忘れた物があるんだ。だから、先に帰っててくれ」

歩の目も見ず、健人は出口に向かって走り出す。健人の名前を呼ぶ歩の聲が聞こえたけれど、無視した。

優しくしていると言われてから、健人は自分の気持ちにようやく気付いた。今、健人は歩の事を好きになっている。けれど、嫌いだった相手を好きになってしまうなんて、好きと言う感情は不確定で不安定なものだと思った。

好きになったからと言って、戀をしているとは限らない。間摺�い勝�ⅳ長欷狹丹扦悉勝ぁ�

好きになるから戀に落ちるなんて、誰が言ったんだろうか。

そんなのはウソだ。

いつも通りと言う言葉ほど、不確定なものはなかった。いつも通りにしてればいいと思えば思うほど、いつも通りと言うのはどういう事だったのだろうかと健人は不安に陥る。流れる汗を拭って、玄関の扉に手をかけた。いつもより、扉が重たく感じたのは気持ちからだろうか。このまま、椋Г幛郡�勝胄n動に駆られ、その場に立ち止まった。ジメジメとした蒸し暑い玄関は、健人が入ってくることを拒んでいるようにも感じた。

「……ただいま」

玄関に転がっている靴を見つめながら、誰にも聞こえないような小さい聲で呟く。リビングには明かりがついていて、時折、人の笑い聲のような雑音が耳に入ってくる。歩はテレビでも見ているんだろうか。このときばかりは、リビングを通らなければ2階に上がれない家の構造を恨んだ。

ゆっくりと家の中に上がりこみ、リビングの戸を開ける。襲ってくるような冷気に身震いし、健人はそっとリビングの中に入った。リビングはテレビだけが虛しくついていて、中には誰もいない。この隙をついて、健人はすぐに2階へと上がった。階段を駆け上がり、自分の部屋へと飛び込む。玄関と同じようにムッとした部屋の中は、電気も付いていない�

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