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第13部分(第3/4 頁)

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歩はすでに席に付いていてテレビを見ていた。健人が持って來たのを気配で感じると、目の前に置かれた味噌汁を見つめて「わかめともやし?」と健人に確認した。

「そう」

「へぇ、もやしの味噌汁とか初めて見た」

「……母さん、出してなかったっけ」

もやしの歯ごたえが好きで健人は良くもやしのみそ汁を作っていた。再婚してからは母が作る様になったせいで、あまり口にしなくなったが、それがいつからだったのかは覚えていない。味噌汁だって、この前の夜、久しぶりに作ったのだ。手伝いをすることは多々あるけれど、味付けはすべて母がしていた。この前はたまたま、手が空いてなさそうだったから健人が味付けをしただけだった。

「作って無かったと思うけど。さ、食べようよ。冷める」

會話を中斷させるように歩が箸を摑んだ。健人はまだキッチンに置きっ放しにしている肉じゃがとサラダを持って、ダイニングテ��芝毪丐葢�搿¥い膜狻⒛袱雀袱瑢澝妞俗�盲皮い啤⒔∪摔葰iが隣同士だ。二人が居ない今、果たして二人並んで座る必要があるのだろうかと考えてしまい、足が止まった。この広いリビングの中、二人が隣に並んで座るのは奇妙に感じる。そう思ってしまったら、動くことが出來ずに、その場に立ち往生した。

「……健人? 食べないの?」

「え、あ……、うん……」

そんな健人を訝しんだ歩が、怪訝な目で話しかけてきた。箸と茶碗はいつもの席に並べられている。ここでもし、健人が歩の対面になど座れば、変な意識をしていることに気付かれる。そんなことをしてしまえば、同じことの繰り返しの様な気がして、健人は皿をテ��芝毪酥盲�葰iの隣に座った。

右隣にいる歩は、リビングの奧にあるテレビを見つめていた。番組は丁度、心霊寫真特集をやっていて、出演者たちは眉間に皺を寄せながら映し出された寫真を見ていた。そんなものに全く興味が無い健人は、皿に肉じゃがを取り食べ始める。作ったのは久しぶりだったが、味は悪くなかった。昔に培った料理の腕は、落ちていない。

「健人の作る肉じゃがは、ちゃんとした味がするんだね?」

「……は?」

急に話しかけられ、何を言っているのか分からなかった健人は歩を見る。

「景子さんが作る肉じゃがは何かが足りないんでしょう? それが分かるってことは、健人はちゃんとした肉じゃがが作れるってことだよね」

そう言われてから、この肉じゃがはちゃんとした味なのだろうかと考え込んだ。健人もレシピを見ながら肉じゃがを作ったりしていたが、それがちゃんとした正規の肉じゃがなのかどうかは分からない。考え込んでいる間に、歩は肉じゃがを口にしていたようでもぐもぐと口を動かしていた。

どんなことを言われるのか、少しだけ緊張した。喉が動いて、飲みこんだのが分かった。

「ん、どっちが本物の肉じゃがか分からないけど、健人のが美味いと思うよ。俺は」

素直に褒められ、健人は反応が出來なかった。目を逸らして、健人は肉じゃがを口の中に突っ込む。ジャガイモはよく味をしみ込ませていて、甘みの後に醤油のしょっぱい味が広がる。何度か咀嚼してから飲みこんで、母の肉じゃがに何が足りないのかが分かった。

「あぁ、眨�讀先毪欷腠樂�㈤g摺�à皮毪螭饋�

獨り言のように呟くと、歩が「え?」と健人に聞き返す。

「母さん、多分、醤油から入れてるんだよ。塩分を先に入れると、食材が糖分をあまりしみ込ませないんだ。普通、煮ものとか作る時、酒、みりん、砂糖を入れてから醤油を入れるんだけど、母さんのことだから醤油から入れてるんだろ。だから、母さんの肉じゃがはしょっぱい」

「……なるほど。確かに景子さんが作る肉じゃがはしょっぱいね。肉じゃがってそんな味なのかと思ってた」

健人の言ったことに跡�盲筏繗iは、もう一度、皿に仱盲駿弗慳�ぅ玀蝮紺寢玀嚦冥丐冗ぶ。その味に満足したのか、歩は食べながら何度も「美味い美味い」と言って箸を進めている。しかし、褒めてもらったことや、跡�

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