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第12部分(第3/4 頁)

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ると驚くように體を震わせて、自分のひざを抱え込んだ。雷が鳴ることなんて今までたくさんあったはずだ。そのたび、健人はこうして一人苦しんでいたのだろうか。こんなに暗い部屋で、誰も怖がっていることに気づいてもらえず、雨がやむのをこうして待っていたのだろう。そう思ったら居た堪れなくなった。

歩は膝をついて震える體を、包み込むように抱きしめた。

「……な」

いきなり抱きしめられた健人は、何が起こったのか分からなかったが、縋るように濡れている腕を摑む。目の前に差し出された手に、縋らずには居られなかった。怖すぎて泣くこともできず、恐怖だけが頭の中を支配していた。

雷は嫌いだった。

大きい音と、いきなり光る稲妻が、とても怖かった。小さいころ、一人でいることが怖いから電気をつけていたのに、雷が落ちたせいで停電し、辺りが真っ暗になってしまった。すると頭の中で一気に怖いことが思い浮かんで、それらが襲い掛かってくる。それが物悽く怖かった。怖くて堪らなかった。こんなにも怖がっているのに、誰も助けてはくれなかった。

健人にとって、それが一番、怖かった。

「大丈夫だから」

優しい聲が聞こえて、健人はゆっくりと息を吐き出した。まだ、抱きしめてくれているのが歩だと分かっていなかったが、優しい聲は耳から脳へと響いてきた。濡れていて冷たいはずなのに、抱きしめてくれている體はとても溫かくて、心地よかった。雨の音も、雷の音も、遠ざかっていく。

少し硬くてごつごつとした手が、背中を優しく撫でる。大丈夫だからと耳元で囁かれて、心拍數もようやく元通りへと戻っていく。

やっと、怖がっていることに気づいて助けてくれた。そのことに安堵した健人は、ようやくパニック狀態から抜け出すことができて、現狀を把握する思考を取り戻した。

健人は少し顔を上げて、抱きしめている歩の顔を見る。2、3度瞬きをして、目の前に居るのが本當に歩なのかと自分の目を疑った。雨に濡れたのか、髪の毛や服はびしょぬれになっていて、いつもとは摺�﹄儑鞖蕒饋1Г�筏幛槨欷皮い毪長趣恕ⅳ勝激�訍櫎媳Г�勝�盲俊�

「……あ、ゆむ……?」

恐る恐る聲をかけると、ゆっくりと體が離れていった。健人の顔を覗き込み、落ち著いているのを見ると「大丈夫?」と今度は確認するように尋ねてきた。

「え、あ……、うん」

どう返事をして良いのか分からず、健人は頷くだけ頷くと歩は健人の頭を撫でて「良かった」と笑った。今まで見たことの無い、歩の笑顔に健人は固まった。へらへらしているわけでもなく、無理をして笑っているわけでもない、クラスメ��趣艘姢護皮い毪瑜Δ收瘠轆蓼い啃︻啢扦玀勝ぁ=∪摔坤堡訟頦堡啃Δ撙坤盲俊�

電気が復舊したのか、パパッと何度か點滅した後、リビングに燈りが點いた。間近にいる歩の顔をじっと見つめて、どうしてここにいるのかと考えたが、理解できなかった。そして、なぜ、あんなふうに抱きしめたのかも分からない。雷が鳴り始めて、轟音とともに停電したところまでは覚えているが、歩が帰ってきたことなど覚えていなかった。

「……雷、苦手だったんだね」

「え……?」

「あんまり、無理しないほうがいいよ。じゃ、俺、風呂入ってくるから」

歩は目も合わさずにそう言うとすぐに階段を上がって行ってしまった。何が起こったのか分からず、健人はその場に座り込んだまま、きょとんとしていた。濡れた體に抱きしめられたせいで、服が濡れて冷たいはずなのに、パニックに陥ったときと同じように心拍數が上がっていき、體が熱くなってきた。

助けてくれた理由が分からない。嫌いだと言って、2ヶ月以上口すら利いていなかったと言うのに。かなり嫌っていたはずなのに、こんなことをされて気持ち悪いとも思わない自分の感情に、健人は戸惑っていた。

それは歩も、同じだった。

階段を駆け上がり、自室へ入ると同時に大きく息を吐き出す。雨が降り始めて、雷が鳴り、健人が怖がっているのではないかと思ったら我を忘

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